数理情報科学セミナー 2016


9 月 21 日 丸野 健一(早稲田大学 理工学術院)
非線形波動の構造保存型差分スキーム:離散ホドグラフ変換と自己適合移動格子

特異性,多価性のある解を持つソリトン方程式(WKI 形式に属するソリトン方程式)の解の構造を保つ離散化を行うと, 大変形が生じる領域に自動的に細かいメッシュを自動生成していく差分スキーム(自己適合移動格子スキーム,self-adaptive moving mesh scheme) が自然に導出される.自己適合移動格子スキームの背後にはホドグラフ変換と呼ばれる保存則と深く関連する座標変換があり, ホドグラフ変換を離散化することが自己適合移動格子スキームの鍵となる. このとき離散化した保存則の保存密度が自己適合移動格子スキームの格子間隔になり, このことによって自己適合移動格子スキームは非常に精度のよい数値計算法となる. 講演では自己適合移動格子スキームの構築法と数値計算例,離散曲線の運動との関連を解説する予定である.


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